先史時代から変わらぬ姿で生きのびてきた植物です。
長年にわたって大量に植物群をつくり、それが分解され、地中に石灰層を形成してきました。
学名:Equisetum arvense
科名:トクサ科
別名:スギナ、ツクシ
生薬名:モンケイ
自生地域:日本全域
生育地:草地、道端、田畑の境界線
使用部位:地上部
★ 特徴 ★
多年性シダ植物。温帯に広く分布。長く横走する根茎から直立した地上茎を生じ、軸上に枝を出す。春には淡褐色の胞子茎(ツクシ)を出す。ハコベ(ナデシコ科)やナズナ(アブラナ科)などと同様に痩せた酸性土壌を好むため、土壌のpHを示すバロメーターにもなっている。シリカやミネラルを豊富に含み、カルシウムはほうれん草の約150倍ともいわれている。また、シリカは結合組織を再生し弾力性を高めるため、湿疹や潰瘍、関節炎の治癒、爪のトラブルや髪を美しく保つのにもよい。同じく有効成分である珪酸は、腎臓、膀胱、胆嚢に付着した結石を溶かす能力があり、ガン細胞に至っては、その成長を阻止し遂には崩してしまうとも言われている。
★ 名前の由来 ★
属名のEquisetumはスギナの形を馬の毛にたとえたもの、種名のarvensisは「畑に生える」という意味。ツクシはスギナに付いているから「付く子」、土を突いて地表に出てくるから「突く子」、節で切り離しても継ぐことができるから「継く子」など諸説ある。スギナは草の姿が杉の木に似ているから、または「継く子」と同じ理由で「継ぎ菜」という説がある。トクサは茎にケイ酸を多量に含むため硬く、昔から「研ぐ草」として利用されてきたことからという説がある。
★ 成分 ★
ケイ酸、ケイ酸塩、シリカ、アルカロイド(エキセチン)、フラボノイド(イソクエルシトリン、ダルテオリン、エキセトリン)、
サポニン(エキセトニン)、タンニン、ミネラル(カリウム、マンガン、マグネシウム)、フィトステロール、苦味質、植物ステロール類など
★ 作用 ★
利尿、収斂、止血、血液凝固、消炎、抗炎症、解熱、鎮咳、鎮痛、抗菌、組織治癒、組織結合、瘢痕形成など
★ 適用 ★
呼吸器系の不調、肺の機能低下、肺組織硬化、扁桃炎や咳など喉の不調、風邪、結核、泌尿器系の不調、前立腺疾患、腎盂炎、痛風、結石、
視力低下、皮膚疾患、歯肉炎、口内炎、外傷や内臓の出血症状、痔、動脈硬化、内臓出血、月経過多、神経痛、
アレルギー性の諸疾患、消化器系の疾患、腸内発酵、下痢、難産後の後遺症、精神バランスの崩れなど
★ ケア方法 ★
お茶、お風呂、湿布、うがい薬
ハーブティ、ハンドバス、フットバス、チンキ、フレッシュナー、インフューズドオイル、マウスウォッシュ
★ 英国のハーバリスト ニコラス・カルペパー ★
スギナの圧搾液や煎液を止血、結石、排尿痛に用いた。
★ アーユルヴェーダ ★
前立腺肥大、失禁、夜尿症に活用した。
★ ドイツの自然療法クナイプ療法を提唱したクナイプ神父 ★
スギナは、体内出血、膀胱や腎臓などの不調、結石、カリエス、ガン肉腫、リウマチに素晴らしい効力を発揮すると発表した。
★ クナイプ療法の著名な医師ボーン博士 ★
スギナは、あらゆる場合の止血剤、腎臓薬として薬効がある。煎じて飲むと濃い色の尿が多量に出る。浮腫にも効果が早い。いかなる排尿剤も効かない時は、すべての薬をやめ、スギナを煎じて4,5日飲む。たいてい水分が出る。扁桃腺炎、口内炎、口腔ポリープ、歯茎の腫れで困ったら、濃く煎じて口に含みうがいをする。
★ スイスのキコレンツ神父 ★
関節炎、リウマチに効き、結核特有のだるさも消え、健康な人生をおくれると、老齢に達した人々にスギナ茶を薦めた。
★ スイスの薬草医キュンツレ ★
誰でもある年齢になったら、毎日スギナ茶を一杯は飲んだ方が良い、そうすれば、
年齢からくる健康障害の大半は解決するだろう、そして残りの人生を楽しく生きられるだろう。
★ オーストラリアの生物学者リャルト・ヴォルフォート ★
スギナのお茶を長期引用することでケイ酸が補給され、ガンの成長を阻止して、ついには壊してしまうと報告した。
★ 近年ロシアで行われた調査 ★
スギナが体内の鉛の蓄積を除去するのに効果があることがわかった。
★ ドイツ ★
外傷後のむくみ、膀胱炎、尿道炎などの泌尿器系の感染症、外用では捻挫、リウマチ、痛風、関節炎に用いられ、
さらに婦人科系の疾患に腰湯などの部分浴や、痩身療法の補助剤とされることもある。 また、鍋や釜を磨くのにも使われた。
++ 参考資料 ++
日本のハーブ辞典/ドイツ婦人のハーブ学/ハーバルセラピーの辞典/ニールヤード・レメディーズ
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